会長メッセージ

2024年10月に中国人留日生命科学協会(LSACJ)の会長を拝命いたしました呉です。


留日中国人生命科学協会(LSACJ)は1995年に設立されて以来、在日華僑・華人科学者と中国人留学生が中心となって発足した、生命科学を軸とする多分野横断型の学術団体であり、27年の歴史を誇ります。本協会は、1995年創立の「関西地区中国留学生分子生物学協会」を起源とし、後に「関西中国人生命科学協会」へと発展。設立10周年を迎えた2005年に、現在の「留日中国人生命科学協会(LSACJ)」へと改称し今日に至っています。創立以来、「開放包容」「友好団結」「奮発図強」の精神を大切に、会員同士の交流と協力を深めるとともに、科学技術イノベーションの追求に努めてまいりました。また、中日両国の生命科学分野における交流・連携促進にも力を注いでおります。

本協会の本部は日本の大阪に所在し、中国やアメリカにも支部や連絡事務所を有します。歴代会長・理事、そして全会員の方々の尽力によって、27年にわたる発展を遂げた結果、現在では日本、中国、欧米各地にわたる幅広い地域に会員が在籍し、その研究分野は医学、薬学、看護学、生物学、生物情報学、計算化学などの多様な学問領域へと広がっています。日本国内においては、東京大学・京都大学・大阪大学・神戸大学・理化学研究所などの大学や研究機関で活躍する在日会員が多く、新しく来日した留学生や研究者がスムーズに生活・研究環境に適応できるよう、具体的な助言やサポートを惜しまず行っています。また、中国へ帰国した会員の一部は、清華大学、北京大学、浙江大学、復旦大学、中山大学、同済大学、吉林大学、中国科学院といった著名大学や研究所において、先導的な役割を担う研究者として活躍しています。

本協会の会員たちは、最先端の科学技術を研鑽しつつ、日本社会への理解と適応を積極的に進め、中日両国の生命科学分野の発展に力を注いでおります。毎年開催されるハイレベルな学術年会や研究交流会では、最先端の研究成果についての講演や討論を行っており、コロナ禍においてはオフラインからオンラインへと円滑に移行しました。これにより著名な学者を招いて前沿的な研究成果を共有すると同時に、若い研究者たちが自由に意見を交換し、最新かつ斬新なアイデアを発信する機会を継続して提供しております。

留日中国人生命科学協会の新任会長として、これまで本協会の活動に関心とご支援をくださった皆様に、心より御礼申し上げます。
近年、人工知能(AI)技術の急速な発展により、生命科学はまったく新しい時代を迎えております。AI と生物学、医学、薬学、情報科学など多学科領域の交差融合により、生命の神秘を解き明かし、重大疾病を克服し、人類の健康増進に寄与する可能性がますます広がっています。この変革期において、在日中国人同士の結束と協力だけではなく、日本および世界各国の研究者と手を携え、より深い次元の学際的・国際的連携を推し進めながら、生命科学の最前線を切り開いていくことが肝要だと考えています。
私たちは先人たちの願いを受け継ぎ、在日華人学者の交流プラットフォームをさらに充実させるとともに、中日両国における生命科学分野の協力にも貢献してまいります。引き続き、高水準の学術セミナーや最先端技術に関する交流イベント、文化交流の場を開催し、会員同士の学術交流や意見交換をさらに活性化していく所存です。どうか皆様の積極的なご参加をお待ちしながら、よりイノベーティブかつ開かれた生命科学コミュニティの構築に向け、共に邁進しましょう。
最後に、歴代会長・理事、そして全ての会員のご尽力に改めて感謝申し上げます。私自身、留日中国人生命科学協会を代表して、皆様に最も誠実な敬意を表しつつ、新時代において当協会が一層の高みを目指せるよう、引き続き尽力してまいります。皆様のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。


LSACJ
呉 泉